「わぁっ、キャラヴェル!」
「おー!すげー!」
「なかなかいい船じゃねェか」




 ふいにひびいた

 とつぜんにぎやかになっていくぼくのうえ。



 なんだろう?これ。



 ぼく は しらない。



「キャプテンはおれだろうなー!」
「バカいえ!おれがキャプテンだ!」



 ふしぎなしょうげき。

 これ はなに?

 いろいろなもの。

 いろいろなおもさ。



 ぼくの しらない  もの。




 しらない  。


「よろしくな!メリー!! 」


 めりぃ?

 それはなに?






 しらないことがたくさんのってきて。

 しらないがたくさんひびいて。

 そうしてぼくは。




 はじめてのけいけんをする。





 からだをとりまくもの。

 ぼくをつつみ、うごかすもの。

 ぼくのうえでうごきまわるものたち。







 ふと、からだにふしぎなかんじがした。







 今のはなに?





「これで、海賊船ゴーイング・メリー号の出来上がりだ!! 」












 かいぞくせん ・ ゴーイング・メリー ごう   ?






















 ・・・・・・ああ。そうか。

 唐突に理解した。




 海賊船ゴーイング・メリー号。

 それがぼくの事。

 ぼくは、この人達を乗せて大海原を走る船。




 彼らが望む限り、彼らの望む場所へ。
 足となり家となって、彼らを導くもの。





 ぼくは彼らを運ぶもの  だ。







 うん。

 約束するよ。



 この岸辺から次の岸辺へ。



 必ずみんなを運んであげる。










 突然、賑やかになったぼくの中。

 賑やかな声は、1つ、また1つと増えて行った。










8th, APR., 2007

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「名前」と言うのは、特別なものなので。
名を与える・っていう行為はとても神聖なものだと思う。
ナウシカ(原作)の中でも、巨神兵が名を与えられた瞬間、
知能レベルが上がる・っていうシーンがあったし。

メリーが「メリー」になった瞬間。
「約束の言葉」は入れさせてもらいました。


台詞等、多少捏造してますのでご了承を。



2007.4.8



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