鐘の音が聞こえる。 何処か、遠く。 遥か高くから。 緩やかに。 密やかに。 そして、厳かに。 鐘の音は鳴り響いている。 ………………ああ。 虚ろな意識の中で、ルージュは思う。 ……… …… 僕 は、 夢を見 ている。 音は高く遠く。 遥かな彼方から響いている。 辺りは薄闇に包まれていて。 無の空間で、微睡む意識。 これは、夢。 自分で自分にそう呟く。 これは、夢だ。 微睡みの淵で、確かな実感。 遠く彼方から響く厳かな鐘の音。 その音に深まる納得。 …………だって。 これ は、<キングダム>の鐘だから。 鳴り響く、音。 それは遥かな悠久の彼方から。 最早、鳴らない筈の音が届く。 何かに祈る様に。 ……何かを訴える様に。 鐘の音が、聞こえている…………。 |