「このケンカ!!おれ達の勝ちだァ!!!!」 船首像の上で、ルフィが高らかに言い放つ。 みんなが声を揃えて笑った。 みんな、いる。 みんな……無事だった。 フランキーも一緒だ。 ぼくは……間に合ったんだね。 本当に良かった…………。 さあ、もうひと踏ん張りだ。 ウォーターセブンまで、無事に帰り着かなくちゃ。 ここでぼくが力尽きたらお終いだもの。 頑張らなくちゃ……。 がんばら……ないと…………。 でも 。 …… も う 。 意識 が かすむ …… 。 だ け ど……。 も う す こし だか
ら … ……… 。 が ん ば ら な
く
ちゃ …… …… 。 「ガレーラカンパニーの船だ……!!」 大きな船が近づいて来た。 あ……ぁ。 ありがとう……アイスバーグさん…………。 またあなたに……助けられちゃったね…………。 でも。 本当に、もう…………。 ……限界、だったんだ…………。 だから…………。 「……もう、眠らせてやれ……」 「!!?」 ………………ありがとう。 迎えに来てくれて。 それから。 本当の事を……告げてくれて。 「……わかった」 ルフィがぼくの身体に火を付ける。 なんて暖かくて……優しい焔だろう。 空島の炎は恐ろしいだけだったのに。 この焔はとても暖かいね…………。 みんなが泣いている。 ……泣かないで。どうか。 だってぼくは倖せだったから。 とても楽しかったから。 大切にしてくれて嬉しかったから。 だから、泣かないで…………。 ありがとう。 大切にしてくれて、嬉しかった。 いっぱい冒険できて、倖せだった。 みんなと出会えて、本当に良かった。 想いが融けて行く。 崩れて行く身体から離れて。 深い海の底へではなくて。 遥かな空へ。 解き放たれて行く。 焔に融けて。 煙に乗って。 風に迎えられて。 ………………空へ。 そう……か。 ぼくは。 空の海に行くんだ……。 見守っているね。 これからも、ずっと。 この空から。 風になって。 光に融けて。 みんなの事をいつまでも。 …………ずっと。 ありがとう。 たくさん、大切にしてくれて。 冒険に連れて行ってくれて。 忘れない。 みんなと過ごした時間を。 みんなが愛してくれた事を。 いつまでも。ずっと。 ぼくは忘れないから。 だから。 みんな。 元気でね………………。 26th, MAY, 2007
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今回も台詞は抜粋だったり捏造したり。ご了承を。 お目汚しかな・とは、重々承知で。 イメージ壊しだよなぁ・とも思ったんだけど。 それでも、形にしたかったので。 メリー号のモノローグ。 消えてしまったのではなく。 これからもずっと見守って行って欲しいな・と思う。 火葬の煙は魂を天に送る為だと聞いた事がある。 それなら、メリーの魂もきっと、大空に昇ったと思うから。 大空の海からずっと。 みんなの行く末を見守っていて欲しい。 メリー号に感謝を込めて 2007.5.26 |