「良くやった!」と叫んでいた。 良く頑張った、お疲れ!と、それしか言葉が出ない自分が滑稽なぐらい。 でも、本当にそれしか言えなかった。 それ以上の言葉が出ないぐらい、嬉しかった。 2ヶ月振りの勝利。 たった2ヶ月。されど2ヶ月。 五月蝿い外野。悲観的になる事しか知らない様なマスコミ。 諦めろと喚く事で勝てない憂さを晴らしている人達。 ・・・・・・本当に、長かったなぁ。 何より、足を運べないのが辛かった。 行くに行けない試合ばかりで、手が届かない所で調子を落とされて。 現場に居なければ、何も叫べない。 諦めない、という態度を貫くしか出来なくて。 それでも、手の届かない所でしぼんで行く選手達を、ただ見ているしか出来無いのは、歯がゆかった。 ようやく。 ようやく、背を押す事が出来た。 前半は正直に言って、どうしたもんだかと思っていたけれど。 後半になって、PKを取ってから、見違える様に動きが良くなった。 1点入る毎に、動きが良くなって行く。 自分達のサッカーを思い出して行く様に。 この勝利が自信に繋がるといいんだけど。 ・・・・繋がる、よね? 10周年紙を申し込んで。サッポロビールの特設ブースに設置されていた寄せ書きにも小さく一言。 何て書いたら良いか、悩むに悩んで、結局書けたのは簡単な一言。 「全力でガンバロウ!!」 勝て・とか、信じてる・とかは書きたくなかった。 悲観的になる気持ちを押し込めて、無理に吐き出す言葉のような気がしたから。 雨の降る中、家を出た。 視界の効かない雨は、札幌に近づくにつれて少しずつ小振りになり。 ドームに着く頃には、殆ど止んでいた。 試合が終わって外に出ると、雲間に綺麗な青空が広がっていて。 風はまだ肌寒かったけれど。 それでも、もう、雨は止んだ。 光が射して来る。少しずつでも。 それを確信出来る、空。 空と大地は、見放さない。 2006.6.10
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