終わったあとに会場から飛んだ声は、むしろ選手を励ます様な声援で。 連敗しようと頑張っている。それが見えるから、罵声を飛ばす気にはなれない。むしろ励ましたい。諦めるな、下を向くな、結果が出るまではもう少しだぞ、って。ここを乗り切れば、きっと強くなれる。今よりも、もっと。 悪い所が一杯見える。それは、言い換えれば負け続けている今だから見える事。そこを修正出来れば、強くなれる。負けているときにしか、弱点は見えない。 岡田君は何度も何度も右サイドを駆け上がってくれた。逆に最終ラインまで掛け戻ってディフェンスもしてくれた。ピッチの右側を小柄な身体で懸命に駆け回る姿は、見てるこっちの胸を熱くしてくれた。 試合後、立ち去る姿にどうしても声を掛けずにはいられなかった。「佑樹、良かったよ!」 呼応するように周りからも声が上がった。「あれでいいんだ、岡田!」「良く頑張った!」 ディフェンスに吸収されがち、と思っていた彼が、僅かな時間であれ程攻撃にも貢献出来る様になった。きっかけになってくれれば良い。チームそのものがプラスに変る為の。 2失点はフジのせいじゃない。撹乱されたディフェンスライン。あれだけ守備が乱れれば、失点して当然だろう。1失点目は、GKには防ぎ様が無かった。あれをセーブ出来るなら代表チームの正キーパーだって勤まるだろう。 良い時間帯は前節より長かった様に思える。終盤足が止まっちゃったのは残念だったけど。攻撃で良いリズムが造れている時間もあった。惜しい場面も見た。あとはシュートに持ち込むだけ、と言う所も。 こんなときだからこそ、応援する。今、声援を送らないでどうする。チームが強くなろうと足掻いている今だからこそ、声を枯らして励ましたい。俯く必要なんか、無い。恥じ入る様な試合なんか、してはいないのだから。 どうか、信じて欲しい。君達は決して弱くはないのだ、と。 2004.5.5
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